世界に報いるニートの叫び

失うものを持たない僕の遠吠えを聞け

服を買う時の失敗について

 

ユニクロユーの2017awが出たそうで。

安い服屋に行ったときや、セールの時などに陥りがちな心理状態について書く。

 

ほとんど使わずしまわれたままの洋服をクローゼットに見つけた時には、その服の値段に関わらず胸が苦しくなるのは僕だけだろうか。

 

「使う/使わない」の判断軸

普通服を選ぶ基準は「使うか/使わないか」であるべきだと考えている。

服屋に行って、ちょっといいなって思う服があったとする。試着してみて着心地やシルエットもいい感じ。あれとあれに合わせられそうだなとか考える。でもそれだけで買うわけじゃない。

問題なのは実際に使うのか、使うならどれくらいの頻度で使うのかってことだと思う。ほとんど同じの持ってればいらないし、現実的に着る機会がなければ必要なくなってくる。

ビンテージジーンズのコレクターとか、ちょっとでも欲しい服はとりあえず全部買う人とか、金が有り余って仕方ない人とかは別ね。上でもちらっと書いたけど、要は「使うか/使わないか」ってのは「必要か」ってことと同じだから。

 

「工夫すれば使える」服=ゴミ

見出しは正直言い過ぎたかもしれない。いや、言い過ぎてないかもしれない。

 

上で、健全な心理状態での服を選ぶ基準は「使うか/使わないか」、つまりは「必要か」だと書いた。

で、ユニクロコラボとかセールでありがちなのが、この基準が「使える/使えない」になってしまうこと。これがいらない服を買ってしまうことに繋がる。

ここでの「使える服」ってのは、着こなしに必要以上の工夫をしたり、限られた状況があったうえで着る可能性がある服のことね。

これ頑張れば使えるぞ、みたいなのは絶対着なくなる。(書いてて「使う」がゲシュタルト崩壊してきたな。)

 

確かになんとかして着こなしたいって思わせる服はたまーにあるけど、少なくともユニクロにはほとんどないだろうし、仮にあったとしたら僕なら他の店に行って頭を冷やす。

 

一度着ずに仕舞われた洋服が再び輝く可能性

ドメブラのセールとか行くと、たまに意外な定番品が安くなってることがある。実際お得感があって欲しくなるんだけど、そういう時も実際使うのかシビアに考えられないと失敗することがある。

大事なのが、いくら出せるか、どれくらい大事にできるかってことと、実際に着るのかてのは別問題ってこと。

僕の場合も、高いお金を出したのに大事にしまっておいただけの服がいくつかある。

 

99%の服は、買ったその瞬間が最も新鮮で、時間の経過とともにその価値は下がり続ける。今は着ないけど来年着るかも、みたいなこと考えたらもう終わりだと思っていい。

この可能性に期待する人は、まず首都直下地震のリスクについてもっと真剣に考えるべきだし、将来年金がもらえない可能性について悩むべきだ。

 

僕の場合、奇跡的に復活してきた服がいくつかあるけど、やっぱ合わせにくかったり、気候的・TPO的に着にくいものが多い。要は吊りの状態とか雑誌とかで見て「うおおおカッケえええ! これ着て街を闊歩してええええ!」って買った服。

正直買わなきゃよかったのかもしれないけど、そういうのってその時の記憶みたいなものと一緒だから処分したいとも思わないし、むしろ思い出込みで持っておいちゃうんだなこれが。

ただサイズ感とか生地感とかどっかで妥協して買った服はまず着なくなるね。

 

ワードローブの隙が浪費を生む

デザイナーコラボとか、セールって小規模ではあるけどお祭り、非日常だからね。旅先とかでも財布のひもが緩んでいらないもん買っちゃったりするじゃん。あれと同じだと思ってる。そういう「勢い」みたいなものが財布のひもの綻びをつついてくる。(あれ、財布って普通ヒモないよね? この表現これで合ってる?)

 

着こなしに頭を悩ませるような服は安くてもコスパ高いとは言い難いし、少なくともその時点で必要な服ではないはず。でも問題は必要な服が何なのかわかってないこと。

何が必要かわからないけど服が必要なのは自覚してるっていうのが、財布のひもがほつれてる状態だと僕は思う。

 

自分の経験を考えても、周りを見ても思うのは、要らない服を買っちゃうときって、基本的なワードローブのリズムが完成されてないときなんだよね。

春秋にはライトアウターが必要で、冬にはヘビーアウターがいる。カットソーやシャツは通年を通して必要で、ボトムスはあれとあれとあれがあればいいな、っていう大雑把な年単位でのリズムと、私服を着る頻度から考えて必要な数を着回す週単位のリズムが掴めればいいわけじゃん。

男の服なんて色は、白黒グレーにネイビー、カーキ、ブラウンくらいだし。他なんかあったっけ?

とにかく、ワードローブの軸になるベーシックが足りてないからどっから手を付けていいかわからずに失敗するんじゃないかな。

欲しいと思った服がそういう自分のサイクルに無理なくフィットして初めて「使う服」って思えるわけだし買えばいい。

 

まあ色々書いたけど、僕は結局ファッションって、自分の着たいもの着て散らかして失敗して、自分のスタイルみたいなものを作るものだと信じてるし、僕が偉そうなこと言うのも違うなと思う。

ただ最近結構気になることが多いから。

完全に自分の内側から出てくる価値観だけで服を選ぶなんてことができるわけないのは前提だとしても、目障りな情報があまりに多すぎる。

「これは良い服なんですか? コスパ高いですか?」、「どうやって着たらいいんですか?」とか言いながらユニクロ来てる奴いたらそりゃ喰い物にもされるわ。

でもそういう人の気持ちも分かるし、もちろん悪いのはそれを騙して喰い物にしてる奴。

 

「あの時好きだったよ」は失恋よりも辛い

それでも多くの場合「買っておけばよかった...」の後悔は、「買わなきゃよかった」の後悔よりも大きい。

 

だって欲しいもの買わずに後悔するってのは、言ってみれば「あんとき告ってればイケたやん!」ってのとほとんど同じなわけじゃん。まあ多少の違いはあるにせよほぼ同じ。

買物の失敗は痛いけど、本当に魅力を感じたなら買うべきだよ。

ただ店員の「これもうラスト一点っすよ」とか「来週にはなくなっちゃいますねー」とかは全くもって判断材料にはならないのでノイズとして聞き流そう。

 

まとめ

ここまでの濃密な内容をまとめるのには困難を極めたが、最も重要なことは「安いものを買うことで却って損をすることがある」ということだ。

僕の圧倒的国語力をもってなんとか、このメッセージを「安物買いの銭失い」というフレーズに収斂させることができた。

この言葉を生み出せたことで、「安いものを買うことはしばしば却って損をすることになる」という教訓が新たな価値となり、世の中に広く共有され、多くの人の幸せに繋がることを願ってやまない。

 

安物買いの銭失い。

我ながらいい言葉だと思うので、どうぞ皆さんも使ってみてください。