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ヘアワックスの選び方について

 

「固さ」と「ツヤ」の観点から、失敗しがちなワックス選びについてざっくり説明。

 

あまりに数がありすぎて目移りしがちなメンズヘアワックス。なんとなく買ったはいいけどどうも使い難かったり、色々試すうちに数ばかりが増えていってしまったりする。

そうやって試行錯誤するのは決して悪いことではないけど、選び方について考えてみると少し楽になるかもしれない。

 

ヘアセットにおけるワックスの役割

まずは、スタイリングにおけるワックスの役割について。ワックスは質感をコントロールするあくまで「仕上げ」の役割だという話。

 

ヘアセットの方法論

髪型はヘアワックスで作るもの――という感覚は間違ってはいないにせよ、ワックスに頼る気持ちが大きいほどセットは面倒なものになる。

ワックスだけで髪型を作り込むのは、できないことはないけれどかなりの手間がかかるし、持ちも悪くなる。

 

「髪型」というと紛らわしいけど、髪の形はワックスを付ける前に完成させておくという意識でいた方が良い。つまり、ワックスを付ける前に、どれだけ髪型を完成に近づけておくかが大事になる。

 

まず前提として、定期的に適切なカットをしてもらうこと。

そしてそのうえで、セットの際にはまずドライの段階で抑える部分を抑えたり、ボリュームを出したりというシルエット作りを済ませておく。そして必要ならヘアアイロンを使って毛束やカールを作り込む。

 

おおまかな重要性としては、カット>ドライ>アイロン>ワックスの順に重要で、前の作業が適切に行われているほど、後のものにかかる負担は小さくなる。

適切なカットがされていて、しっかりドライやアイロンでベースが作られていれば、ワックスをつけてあれこれといじらなくて済むし、作った髪型も比較的長時間キープできる。

  

ワックスの機能

上で書いたように、髪の「形」はカット、ドライ、アイロンで作るもの。そしてワックスはその形を整えたり、「質感」を作るのに使う。

つまり、毛束をはっきりさせたり、ツヤ感をコントロールしたりするもの、という感じ。

まずツヤについては後で詳しく書くけど、基本的には自分のイメージに合うものを選んであげればいい。

毛束についても、カットやドライによるベースがしっかりできていれば、ある程度ワックスを揉み込むだけで浮かび上がってくる。そのうえで、どれだけはっきりと束感を出したいかによって調節する。

このように、ワックスはあくまで「仕上げ」の役割として考えた方がいい。

 

ワックスの選び方 (基礎編)

 

 上で、ワックスは質感を作るものだと書いた。

 

髪型はイメージが多分に関わってくる領域なので、ワックスの商品説明には感覚的な表現が多い。

自然な、ラフな、躍動感、ふんわり...etc

もちろん髪型をこういうイメージと切り離すことはできないが、ワックス選びの初歩段階ではノイズになることが多いように思う。

カットとドライが適切に行われているなら、とりあえず「固さ」と「ツヤ」の2点さえ意識していれば、ワックス選びはかなり楽になると思う。

 

ワックスの「固さ」

ワックスを選ぶ際にまず気にするべきは、その「固さ」。これは、そのワックスがもつパワーと言い換えてもいい。「セット力」という風に言われることも多い。

手触りの感触が固ければハードなワックスというわけではないので注意。

 

一般的には、

比較的短かったり、硬い髪には、ハードなワックスを、

比較的長かったり、柔らかい髪、パーマのかかっている髪には、よりソフトなワックス、を使う。

 

ざっくりまとめてしまえば、

動かしにくい髪→ハードワックス

動かしやすい髪→ソフトワックス

という感じ。

 

以上を踏まえて、僕はワックスの複数持ちを推奨する。

なぜなら、皆もれなく、髪は伸びるから。髪はカット直後が一番動かしやすく、伸びるにつれ重くなり次第に動かしにくくなる。

カットしたての髪に合わせてハードなワックスを買っても、伸びてくるにつれてその力を持て余し、セットしにくくなってくる。そこで、より柔らかいワックスと混ぜ合わせてあげれば固さを調節することが可能になる。

比較的固いワックスと柔らかいワックス。とりあえず2種類を揃えておけば幅広いヘアスタイルに対応できる。

 

ワックスの「ツヤ」

そして、次に気にするべきは、ワックスの「ツヤ感」。

これは基本的に、自分の作りたいヘアスタイルのイメージで決めてしまっていいが、意識すべきこともある。

 

ツヤのあるワックスを選ぶ主なメリットとしては以下のとおり

・ヘアカラーの発色をキレイに活かせる

・パーマやダメージでパサついた髪をキレイに見せられる

・束感を強調できる

雑なまとめではあるが、ツヤ感は髪型の主張を強める一つの要素といえる。

 

また、これもあくまで一般論だが、元々髪に水分の少ない極度の乾燥毛の場合、ツヤのない、つまり水分量の少ないワックスはあまり適さない。なので、ここでも複数のワックスを混ぜることで、ワックスの水分を調節して自分の髪質に合うワックスを作ることをお勧めする。

さらに、髪の癖が気になる場合には、水分量の少ないマットワックスやクレイタイプのワックスを選ぶと比較的髪をコントロールしやすい。

 

適度なツヤ感について

髪の毛の場合基本的には、ツヤがあるほど「セットしている感」がでるので、大半の男性の髪型をカバーする「ショートヘア」という範囲内においては、適度にツヤ感を抑えたスタイルが長く一般的になっている。

一方で、ツヤがあった方がいいスタイルもある。

例えば、ある程度長さのある髪にはツヤがあった方がいい場合が多い。長さのあるスタイルのセットには、自然な「柔らかさ」や「揺れ」のようなものが求められるので、ある程度ツヤのあるソフトワックスを使うのが一般的。

また、ビジネススタイルではツヤを出すセットで、あえて「セットしている感」を出す場合もあり、それも1つの「清潔感」の出し方ではあると言える。

 

とりあえずここまで、ワックスを選ぶ際には、まず「固さ」、そして次に「ツヤ感」を気にしましょうという話。

もちろん他にも、束の出やすさだったり、作った髪形のキープ力、値段や匂い、入手のしやすさ等々、気にすることは尽きない。

けど、とりあえずはこれだけ気にしていればワックス選びはかなり楽になると思う。

 

わき道:男のおしゃれと「清潔感」 ~ヘアセット編~

ちょっとわき道。

男の場合、髪型だけでなくファッションにも言えることだけど、恣意的なもの、わざとらしいものは嫌われる傾向にある。

髪型についていうなら、トップのボリューム感や毛束やハネ、そしてツヤ感などがわざとらしいと、もはやそれは格好よさとは別の次元で判断されることになる。

いわゆる「清潔感」とかいうあの謎の判断軸は常に僕たちを縛ってくる。

 

たまにYOUTUBEのヘアセット動画なんかのコメント欄には、「ワックスつける前の方が良い!」的なコメントがあったりする。これは、毛束や質感にわざとらしさがない方が良いと感じる人が一定数いるということでもある。事実、束感バチバチの髪型は、スクリーンを通していれば自然でも、リアルで見ると結構きつかったりする。

 

確かに、ハネを含めたカールは頭の形を整えて見せてくれるし、束感は顔に立体感や奥行きを加えてくれる。

けれど、どれだけ髪型を作り込んでいいかというのは、TPOに加え、当人のキャラや顔立ちによって決まってくる。

少なくとも多くの男性の普段の髪型では、強いツヤ感と激しい束感の両立はかなり難しいと言える。シチュエーションは限定されるし、個人の資質にも相当左右される。そこにヘアカラーが加わってきたりするとさらに厳しい。「髪で」目立ちたいのならそれは結構だが、普通は髪型だけが浮く状況は避けたい。

たまに勘違いしている人がいるように思うが、セットが上手いというのは、どれほど束感を作り込めるか という話ではなく、どれだけ「自然に」「格好よく」見せられるか、だと思うので気を付けたい。

 

基準になるワックス

多くのヘアスタイルに対応できる、ワックス選びの基準となるワックスを紹介する。

LIPPSの白、L08マットハードワックスは適度な固さがあり、ツヤ感も抑え目なので、そんな「基幹ワックス」に最適。

まずはこれを基準に、もっとツヤが欲しいとか、柔らかい方が良い、とか言う風にワックス選びをしていくといいかもしれない。

一般的な髪型の男性であれば、このワックスが極端に使えないということはないはず。

伸びが良くてかなり扱いやすいので、初めの一個としても最適。少量タイプがあるのもいい。

とりあえずこれを持っておくと、ワックス選びで余計に悩むことは少なくなるというワックスなので是非一度使ってみてほしい。

 

おわり。